2014年 本年は私にとって大変思い出深いものとなりました。 皆さま、本年も大変お世話になりました。 自由な時間が多かったのだから、皆さんひとりひとりと、もっとゆっくり話しておけばよかったと、寂寞の念が尽きません。 以降、振り返り。 学生生活から社会人への転機となる就職活動があった。 私が志望したのは2社だけであったが、ここを落ちれば他にないと思えるほど良くしていただいた2社であった。 また、研究においては、2つの大きな学会で発表させていただき、片方では優秀講演者に選ばれた。 私は現場作業員として手を動かしていただけで、研究の根幹は連名者によるものであったと思っている。 私のような未熟な人間が、このような栄誉に浴することができるとは思っていなかった。 本当に辱い。 また、一時期は研究が本当に嫌で、文学に救いを求めたこともあった。 省みると、逃避するほど高尚な悩みを持っていたわけではなかった。 腑抜た行動であった。 しかし、あのとき単なる娯楽に落ち着かず、文学ーそれも高尚なーに傾倒したのはよかった。 私が再び技術者の道に戻って来れたのも、文学のおかげに他ならないだろう。 ここに、私が強烈な薫陶を得た作家・作品を示しておく。 小林秀雄-私の人生観, モーツァルト, 考えるヒント 三島由紀夫-死について(講演) 三木清-人生論ノート 森信三-修身教授録 岡潔-春宵十話, 春風夏雨 以上は、今日にして全く衰えない思想である。 あなたがたにもぜひ触れていただきたい。 文学に熱中するとともに、私は絵画も少々観るようになった。 絵は私の心の本質を明らかにした。 私は風景画が好きである。 中でも光と水をテーマとするものよい。 田舎の画も好きだ。 自分は意外と純朴なんだ、と思う 貧しい経験の中から好きな画家などを挙げておく。 森本仁平-湖畔のはす田 フランソワ・ルイ・フランセ-プロンビエール近くの小川 ミレー-春 松崎十朗-暗い日 (蒔絵)大場小魚-平文花の虹色紙箱 文学、絵画に触れて、自分とは何か少しずつ理解を深めていくと、自分というものの個性が浮かんでくるような気がしてきた。 そうすると、いかにも低俗で、私でなくてもよいと思うような研究でも、そこに私の音調が染み込んでいくように思われた。 こうなると、文学などにかまけて休んでいた時間が惜しい。 なんとしても、世間から考えれば大したことのない研究でも、私なりに精一杯やらなればと決意した。 物的にはさして変化がなかったが、精神的には非常に濃密な一年間であった。 私がこの一年で掴んだことは、正誤・善悪よりも義理人情を大切に生きていくことの大事である。 そして、今後もこの考えで生きて間違いはなさそうだ。 PR